|  |
| 借金との上手な付き合い方 三商レポートNo50 |
|
| 且O商ホームページ |
過去の三商レポート
|
|
ある新聞社から、「借金との上手なつきあい方」について取材を受けました。
再び借金をしてアパートやマンションを建設(購入)する人が増えている背景があるようです。
私は、日本人は借金することに慣らされてしまった、貸す側の知恵のほうが2枚も3枚もうわてである、と感じています。
30年前、借金する人は借用書に署名し印鑑を押す時に手が震えていました。
借金することは、特別なことでした。その後、「ローン」「クレジット」「ファイナンス」「キャッシング」とカタカナ文字にすることで、「借金」の意識が薄められました。洪水のようなテレビのコマーシャルが拍車をかけました。「無人貸付機」の登場で、自動販売機でタバコや飲み物を買うように、顔を合わせずいとも簡単に借金できる仕組みが作られました。「リボ払い」「ポイント制」「変動金利」の登場により、お得で賢く便利な利用方法が演出されました。貸す側は、安心・簡単・便利のイメージと仕組み作りを日々研究しています。
高齢となった土地資産家の親世代は、バブル期の借金に懲りています。しかし、借金に慣された息子世代が親に代わって実権を握ったとたんに、いとも簡単に借金を始めます。「将来の年金は当てになりませんよ」「借金して建てると相続税対策になりますよ」「バブル期と違い、今は収益還元法ですから大丈夫です」という、営業トークに乗せられて。
アメリカに端を発した「サブプライムローン」問題も、貸す側が作り出した仕組みの破綻です。信用力の低い人たちにもローンを組ませて住宅を購入させました。当然に金利は高くなります。一定期間金利を低く設定し利用しやすくします。しかし、期間が来ると金利はいっきに上昇します。住宅価格が上昇し続ければ、担保余力で追加借入もできます。転売により、返済も転売差益の獲得も可能です。問題は表面化しないですみます。貸す側は、リスクの高いサブプライムローン債権を集めて証券化し、他の優良な商品と組み合わせて市場に売却しました。ところが、住宅価格の値下がりでローンを払えない人々が続出し、金融不安が広がりました。最新の金融工学から生まれた知恵でしたが、もろくも崩れました。住宅を買わされた人たちは、仕組みに踊らされたあげく住む家を失いました(これを「略奪的貸付」と呼ぶ人もいます)。低所得者層への貸し込みは、日本のバブル期とそっくりです。現在の日本の住宅ローンの事情も、アメリカの状況と似ています。
貸す側と借りる側のこうした状況の中で、 「借金との上手なつきあい方?」
そんなものありません。借りないことが一番です。
やむを得ず借りるなら、
@ 返すアテ(メド)があるときだけ借りる。「なんとかなるだろう」は、あまりに危険です。
A 余裕があれば、繰上げ返済を心がける。利息をつけて元金を払うことの大変さに気づくべきです。
B 事業資金の借入では、自宅まで担保に入れない。自宅は家族の生活の本拠地であり、生きがいの源泉です。
C 配偶者や子供を借金の連帯保証人にしない。家族を巻き込まないことです。
D 借金があることを家族に打ち明けておく。借金のあることが分かっていたら、「家族の力」で必ず解決できますから。
(2008年8月5日)
|
|
|  |