建国記念日

今日は建国記念日。これについては反対の説もある様であるが、米国などのように、歴史の浅い国では実証的な建国資料もあるが、我が国のように長い歴史をもつ国ではそれは不可能である。そこでは立場は二つ。科学的に正確な資料がないから放って置くか、それとも、民族の伝承に従って慶祝するかという二種の立場がありうるが、私は後者の立場に賛したい。
[ 森信三 一日一語 ] より

お一人様対策 中條レポートNo273

「誰にも迷惑をかけずに死んでいきたい」というのは、お一人様からよく聞く言葉です。ここでいう「お一人様」とは、配偶者や子供がおらず、または疎遠になっている状態で、兄弟姉妹や甥姪などの親族とも疎遠になっている人々のことを指します。

しかし、何も準備をしなければ、実際には迷惑がかかることになります。

例えば、お一人様が倒れた場合、関係者は親族を探します。また、意思能力の衰えにより成年後見制度が必要になった際には、親族を探し協力を求めます。亡くなる前の延命治療の可否、相続手続も同様です。ですから、何も準備しないと迷惑がかかるのです。

しかし、迷惑をかけずに済む方法があります。

それは、成年後見制度の任意後見契約を締結し、意思能力が衰えた後のことを信頼できる人に託すことです。意思能力が衰える前も、様々な事務を依頼するために事務委任契約を結びます。亡くなった後の面倒な事務処理も、あらかじめ委託しておくことが大切です。財産の配分については、死後事務では行えないため、遺言書を作成する必要があります。また、延命治療の可否については、自分で意思表示ができなくなることに備え、尊厳死宣言を行うことが重要です。

事務委任契約、任意後見契約、死後事務委任契約、遺言、尊厳死宣言。これらを適切に行うことで、「誰にも迷惑をかけずに死んでいく」という目標をほぼ達成することができます。

最近では、お一人様対策に特化した様々なコンサルタントが現れています。上記の例は、任意後見を中心としたコンサルタントの提案です。その他にも、身元保証を中心とした契約組み合わせのコンサルタントや、信託を中心としたコンサルタントなど、多様な選択肢が存在します。

少し前までは、このような分野はあまり存在しませんでした。しかし、長寿化と少子化の社会においては、このようなサービスが必然的に必要とされるようになったのでしょう。

大切なのはそれぞれのお一人様に合ったコンサルティングを提案することです。そして、その人らしく、安心して生活できる環境を整えることです。

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立志の詩

「天地終始なく人生生死あり」
・・これは頼山陽の十三歳元旦の「立志の詩」の一句ですが、
これをいかに実感をもってわが身に刻み込むかが
我われの問題です。
[ 森信三 一日一語 ] より

“わが身に刻み込めるか”です。

迷い・悟り

悟ったと思う瞬間、即迷いに堕す。
自分はつねに迷い通しの身と知る時、
そのまま悟りに与かるなり。
[ 森信三 一日一語 ] より

信とは、人生のいかなる逆境も、
わが為に神仏から与えられたものとして
回避しない生のの根本態度をいうのである。
[ 森信三 一日一語 ] より

五分

五分の時間を生かせぬ程度の人間に、
大したことは出来ぬと考えてよい。[ 森信三 一日一語 ] より

人より先に

「朝のアイサツは人より先に!!」・・・
これを一生つづけることは、人として最低の義務というべし。
[ 森信三 一日一語 ] より

売買と贈与の契約 野口レポートNo329

私達が日常さりげなく行っている行動ですが、その多くが契約という法律行為になります。

契約の最たるものである不動産の売買を例にとってみましょう。買主のこの土地を「売ってください」との意思表示(申込)に対し、売主の「売りましょう」という意思表示(承諾)がありました。買いましょう、に対し売りましょう。買主と売主の意思が合致し売買契約が成立します。なお契約は口頭でも成立します。

売主には売買代金をもらう権利(債権)と、土地を引き渡す義務(債務)が生じます。買主には土地を引き渡してもらう権利(債権)と、売買代金を払う義務(債務)が生じます。契約は約束事です。約束は守らなければなりません。

契約のなかに「履行に着手するまでは、買主は手付金を放棄し契約を解約ができる。売主は手付金を倍にして返すことで契約を解約できる」とあります。分かりにくいのは「履行に着手するまでは」この条項です。魚屋さんに例えてみましょう。

「この魚をください」お客さんの申込みに対し、「毎度ありがとうございます」魚屋さんの承諾があり、売買契約が成立しました。  お客さんが財布を開けた時が履行に着手です。魚屋さんの包丁が魚に入った時が履行に着手です。

次は贈与契約について考えてみましょう。贈与契約で一番大事なことは、贈与を受ける側にもらう意思があるかどうかです。贈与者の「あげます」との一方通行では贈与契約は成立しません。

例えば、親が毎年100万円を贈与として子に振り込みます。子はこのお金を10年間一度も手をつけていません。子にもらう意思がないとみなされたら、贈与は無効になってしまいます。もらったお金は一部でもよいから使うことです。

「いつもお世話になっています。ほんの気持ちですが」このあげますとの意思表示に対し、「ご丁寧にありがとうございます」もらいますとの意思表示がありました。普段さりげなく行っている中元歳暮ですが、これも立派な口頭での贈与契約です。

贈与には年間110万円までは非課税の「暦年贈与」と、相続時に贈与を相続財産に戻す「相続時精算課税制度」があります。この贈与に大きな改正が入りました。暦年贈与は相続開始前3年以内の贈与は相続財産に戻すとあります。3年が7年となり、対策は親の長生きが前提となります。精算課税は2500万円の特別控除とは別に、基礎控除の創設で年間110万円以下までは非課税となり、この部分は贈与税申告と相続財産への持ち戻しが不要です。

精算課税には一定の要件があります。また一度選んだら暦年贈与は生涯使えません。選択は税理士や専門家と十分協議してください。精算課税を選んでいる人は、相続税申告の時には必ず税理士に伝えてください。ここを誤ると後で余計な手間がかかります。