人間何事もまず十年の辛抱が肝要。
そしてその間抜くべからず、奪うべからざるは基礎工事なり。
されば黙々十年の努力によりて、
一おう事は成るというべし。
[ 森信三 一日一語 ] より
作成者アーカイブ: nakajyo
腰骨を立てる
人間は心身相即的存在ゆえ、
性根を確かなものにしようと思えば、
まず躰から押さえてかからねばならぬ。
それゆえ二六時中、「腰骨を立てる」以外に、
真に主体的な人間になるキメ手はない。
[ 森信三 一日一語 ] より
縁ある人の書
自己の縁なき著名人の書を読むより、
縁ある同志の手刷りのプリントを読む方が、
どれほど生きた勉強になるか分からぬ。
これ前者は円周上の無数の一点に過ぎないが、
後者は直接わが円心に近い人々だからである。
[ 森信三 一日一語 ] より
実感します。
相続の基本 中條レポートNo268
相続に関する法律は民法に規定されています。民法には以下の重要なポイントが記載されています。
まず、誰が相続人になるのか。
また、相続人には何割の権利(相続分)があるのか。
ただし、民法で取り分が決まっているからといって、他の割合で分けることができないわけではありません。
相続人全員が合意すれば、どのような分け方でも問題ありません。
重要なのは、全ての相続人の合意が必要であり、一人でも反対者がいれば実現することはできないことです。
もし相続人たちの間で話し合いがまとまらず、合意が得られない場合は、裁判所で分割方法が決定されます。
裁判所の決定は、民法に基づいて行われます。
審判官は全ての事情を総合考慮した上で判決を下しますが、民法で定められた割合に基づいて判断することになります(ただし、誰がどの財産を取得するかについては裁判官の裁量があります)。
つまり、相続においては揉めた場合、最終的には民法に従うことになります。
自分が亡くなった後、民法に基づいた分け方では困るという方は、民法の割合を修正することが必要です。
その代表的な方法が遺言書です。ただし、遺言書を作成できるのはまだ元気で存命の間です。
上記のことから民法に書かれている相続の基本である相続人と相続分をしっかり学ぶ必要があることがわかると思います。
自分が死んだら誰が相続人になって、どれくらいの割合を取得するのか。
「民法通りでよい」という方は何もしなくても大丈夫です。
「民法通りだと困る」という方は遺言書の作成を検討してください。
裁判官でも変えられない相続分を変えられる唯一の存在が“あなた”だからです。
すりこ木 野口レポートNo325
「身をけずり 人に尽くさん すりこ木の その味知れる 人ぞ尊し」親戚の法事に呼ばれ、会食した日本料理屋さんのグラスのコースターに書いてあった言葉です。この言葉に感動し、コースターは持ち帰りオフィスの机の前に飾ってあります。
相続は法律と経済(お金)に人の心が複雑に絡んでくる難しい分野です。時には「身をけずる」覚悟も必要です。
◎行きつけのすし屋の大将から、常連の地主さんが飲んで酔うと、相続をお願いしている会計事務所の愚痴をいうので、一度地主さんの話を聞いてやってほしいと紹介されました。
土地が多く数億単位の相続税と推測されます。4か月が過ぎているのに、相続人の確定や相続税の概算すら出ていません。相続に精通している税理士にかえることを進言しました。
公正証書遺言があるが、先妻の子の遺留分を大きく侵害しています。また、不動産を考慮せず作成されています。遺産のなかに広大な土地(300坪)があり、建物が筆界のなかに収まっていません。遺言通りに登記してしまうと、多くの建物が境界を越境してしまいます。この土地の中央に道はあるのですが、不動産登記簿をみると単なる宅地です。このままでは建築基準法の接道を満たさず、周りの土地には家を建てることができません。
この土地を一度合筆し(遺産分割前の未分割共有状態ならできる)、利用の実態に合わせ分筆しなおし、それを遺産分割する必要があります。中央にある道(宅地)を整備し、位置指定道路(セットバックが必要)の認定を受ければ、多くの土地が建築基準法の接道を満たし、家を建てることができます。
皆が納得してくれましたが、ある亭主が出てきて、下がると面積が減るとの理由で拒まれました。位置指定道路がなければ皆が困ります。大きな効果を考えればセットバックなど小さなことです。
私の説明に納得できないと、提案した資料を持って弁護士のとこへ相談に行きました。弁護士からは「ここまでやってくれる人などいないよ」と逆に諭されて帰ってきました。
遺言を使ったらこちらは楽です。しかし先妻の子から遺留分の請求をされる、合筆と新たな分筆ができない、位置指定道路もできない、家が建たない、土地は二束三文となり一族は相続で不幸になってしまいます。何でこんな遺言を作ったのか理解できません。
先妻の子も誠意ある対応に心を開いてくれました。パートナーの、税理士・土地家屋調査士・司法書士も自分の仕事を確実にこなしてくれました。提案通りに完了し、思い出に残る仕事になりました。
相続は大小に関係なく、身をけずる思いをすることがあります。その味を知れる人もいます。が、味すら分からぬ人もいます。
後日、チームを組んだパートナーと大将の店で互いの労をねぎらいました。難しい仕事をやり遂げたあとのお酒の味は格別です。
円心
「円心あって円周なし」・・・
そしてみな自主独立にして出入自在。
今後は無数のコンミューンが生まれねばならぬが、
この様な円の中心者たちが、お互いに手を取り合う
「開かれたコンミューン」でなければなるまい。
[ 森信三 一日一語 ] より
真の精神
真の宗教が教団の中に無いのは、
真の哲学が大学に無いのと同様である。
これ人間は組織化せられて集団になると、
それを維持せんがために、
真の精神は遠のくが故である。
[ 森信三 一日一語 ] より
真実
真実というものは、
一点に焦点をしぼってピッチを上げなければ、
発火しにくいものである。
[ 森信三 一日一語 ] より
現実の学問
世の中には、
いかに多くのすぐれた人がいることか・・・それが分かりかけて、
その人の学問もようやく現実に根ざし初めたと云えよう。
[ 森信三 一日一語 ] より
真の哲学
他人の学説の模写的紹介をしたり、あるいは部分的批評をする事をもって、
哲学であるかに考えている人が少なくないが、
真の哲学とは、
この現実の天地人生をつらぬく不可視の理法を徹見して、
それを一つの体系として表現する努力といってよい。
[ 森信三 一日一語 ] より
真の哲学は現実の中にあるのですね。