実務講座 中條レポートNo257

私が所属するNPO法人相続アドバイザー協議会(以下「SA協議会」という)で今秋から相続の実務講座を開始します。

受講出来るのは、SA協議会が開催している相続アドバイザー養成講座(以下「SA養成講座」という)を受講し会員(一定の講座数以上受講が条件)になった方です。
「SA養成講座で相続の知識を学んだけれど、実務で活用出来ない」
という会員さんの声を元に創りました。

弁護士でない相続アドバイザー(以下「SA」という)は依頼者の代理人として他の相続人と折衝することは出来ません。又、税理士でない相続アドバイザーは税額計算、申告等は出来ません。
「弁護士・税理士でないSAは出来ることはないんじゃないか」
という声が聞こえてきます。
しかし、そんなことはありません。

それでは、SAは何が出来るのでしょうか。

SAの役割は相続の全体像を見て、何が問題になるかを把握し手続を進めていくことです。そのためには次のことが重要です。

➀正確な知識を元に相続人間で話し合えるようにする。
インターネット等で頭に入る情報は自信の都合のよい情報に偏りがちです。正しい知識で話会うことが重要です。

➁相続人同士で直接話し感情的になり話が進まなくなることを防ぐ。
SAは相続人間の緩衝材となりえる存在です。そのためには聴く力が必要です。

➂上記の役割を果たして出来上がった遺産分割協議書を元に手続をすすめる。
同じ分け方の遺産分割(例えば兄弟均等に分ける)でも手続の方法はいく通りかあります。相続人の状況、財産の状況により最善の手続方法を選択し、実行していきます。

上記の役割を果たすためには、SA養成講座で学ぶ知識は欠かせません。正確な知識を伝え、どんなことが問題になるかを察知するためです。
そして実務講座では得た知識を使って問題点を把握し手続を進めていく方法をお話していきます。

学んだことを実務に活かせないと、仕事にならず、社会のお役たてません。
私も講師の一人です。経験をもとに出来る限りのお話をさせて頂きます。

振り子の原理 野口レポートNo314

金太郎飴はどこを切っても同じ顔が出てきます。嘘をつかず、見栄をはらず、背伸びをせず、ブレることもなく、有りのまま正直に生きていく、一番楽チンな生き方かも知れません。

50歳を機に人生の後半を、相続一筋に一生懸命歩んできました。今でこそ相続では名を知られていますが、転業当初は元GSマンのイメージが強く、あまり相手にしてもらえませんでした。

ワンストップサービスを看板に、これまでに数多くの相続を丁寧に手掛けてきました。お蔭で多くのお客様から感謝されています。

相続は人生のなかで避けて通れません。遺産分割の話しあいで一歩譲った人は、その後に運とツキに恵まれ幸せになります。欲得を通しうばった人は、その後に大事なものを失います。この不思議な事実が「振り子の原理」であると知りました。

「入ったものは出る、出たものは入る」「取れば取られる、与えれば与えられる」「降った雨は水蒸気となり天へ帰り、雲となって再び地表に降り注ぐ」「潮は干満する」「吐く息があれば吸う息がある」

右に振られた振り子の錘は必ず左に振り返します。物事はこの振り子のように、相反する2つの方向に動いていて発する方と還る方に連動しています。これが「振り子の原理」です。原理とは一定の条件の下でいつも変わらず成立する関係です。

その昔エリートたちが競って就職した銀行や証券会社は、栄華をきわめました。が、儲けることばかりを考えていると、いつかは衰退し朽ち果てます。栄枯盛衰も「振り子の原理」です。

バブル期、玄人や素人までが入り乱れ、株や土地投機、儲かった!泡よろこびもつかの間、バブル崩壊でアッという間に無一文です。株や土地を恨んでもしかたありません。すべて自己責任です。

相続は恨み辛みが出る最たるものです。恨み辛みはどこかで断ち切らねばエンドレスとなり延々と続きます。

ある相続で隣接地主に協力を求めにいくと、奥様から「お父さんの恨みは私が相続します」と拒否されました。ご主人が生前に境界問題で辛い思いをさせられたそうです。恨みは連鎖し元に還ります。

江戸時代には親の恨みをはらす仇討ちが「仇討免許状」のもと、公然と認められていました。しかし、仇討の仇討は恨みの連鎖を防ぐため禁じられていました。

人を恨んでいたり、嘘をついたり、騙したり、不幸を与えたりすれば、必ずやどこかで我が身に還ってきます。

「うばいあえば足らぬ わけあえばあまる うばいあえば憎しみ

わけあえば安らぎ」この言葉(相田みつを)は、正に「振り子の原理」ではないでしょうか。

遺産はご先祖様や親が苦労し残してくれたものです。うばいあえば一族の不幸せ、しいては国の力を弱めます。感謝の気持ちと譲る心を持って臨むなら相続人は皆幸せになるでしょう。

因果

因果というものは厳然たる真理です。
それゆえ如何にしてかかる因果の繋縛を超えるか。
結局はその理を体認透察することであるが、現実には後手に廻らぬこと。
つまり常に先手、先手と打ってゆくことである。
[ 森信三 一日一語 ] より

因果は真理ゆえ、後手にならないこと。
ついつい先送りしがちです。

個性

真に個性的な人の根底は「誠実」である。
それというのも、
一切の野心、さらには「我見」を焼き尽くさねば、
真に個性的な人間にはなれないからである。
[ 森信三 一日一語 ] より

「なるほど」
と思う言葉です。

二重の真理

(一)われわれのこの人生は、二度と繰り返し得ないものだということ。
(二)われわれは、いつ何時死なねばならぬかもしれぬということ・・・
この二重の真理が切り結ぶことによって、
はじめて多少は根性の入った人間になれるといってよかろう。
[ 森信三 一日一語 ] より

正直という徳

正直という徳は、
われわれ人間が、世の中で生きていく上では、一ばん大切な徳目です。
それ故「正直の徳」を身につけるためには、
ひじょうな勇気がいるわけですが、
同時に他の一面からは、相手の気持ちを察して、
それを傷つけないような深い心づかいがいるわけです。
[ 森信三 一日一語 ] より

正直に生きるには人間力が必要です。

小宇宙

人は自己に与えらた境遇の唯中に、
つねに一小宇宙を拓かねばならぬ。
されば夜店の片隅にいる一老爺でも、
その心がけ次第では、一小天地の中に生きているといえよう。
[ 森信三 一日一語 ] より

宗教

宗教は人間が立派に生きるためのもの。
随って人間は神には仕えるべきであるが、
宗教に仕えるべきではあるまい。
ひとつの宗教にゴリゴリになるより、
人間としてまっとうに生きる事の方が、
はるかに貴いことを知らねばなるまい。
[ 森信三 一日一語 ] より

人間関係

人間関係・・・与えられた人と人との縁・・・をよく噛みしめたら、
必ずやそこには謝念がわいてくる。
これこの世を幸せに生きる最大の秘訣といってよい。
[ 森信三 一日一語 ] より

まさに秘訣です。