言葉

言葉の響きは偉大である。
一語一音の差に天地を分かつほどの相違がある。
それゆえ真に言葉の味わいに徹するのは、
そのままいのちに徹するの言いといってよい。
[ 森信三 一日一語 ] より

言葉には力があります。

苦痛を洩らさぬ

肉体的や精神的苦痛は、なるべく人に洩らぬこと・・・。
人に病苦や不幸を漏らして慰めてもらおうという根性は、
甘くて女々しいことを知らねばならぬ。
[ 森信三 一日一語 ] より

つい弱音がでてしまいます。

過信

自己の力を過信するものは、
自らの力の限界を知らぬ。
そして力の限界が見えないとは、
端的には、自己の死後が見えぬということでもあろう。
[ 森信三 一日一語 ] より

偉さ

人間の偉さは才能の多少よりも、
己に授かった天分を、
生涯かけて出し尽くすか否かにあるといってよい。
[ 森信三 一日一語 ] より

「生涯かけて出し尽くす」
なかなか出来ません。

弱さ

弱さと悪と愚かさとは、互いに関連している。
けだし弱さとは一種の悪であって、
弱き善人では駄目である。
また智慧の透徹していない人間は結局は弱い。
[ 森信三 一日一語 ] より

弱さが、悪になる。
よくある現象です。

遺産分割で初めにすること 中條レポートNo254

遺産分割では、最初に調べなければならいことが二つあります。

1亡くなった方(被相続人)の財産を相続できる人は誰か。(相続人は誰か)
2被相続人は、どのような財産を所有していたか。

相続人を確定させるためには、被相続人に関連する戸籍を収集しなければなりません。誰が相続人になるかにより、集める戸籍が変わります。

兄弟姉妹が相続人となる場合は、被相続人の両親の出生から死亡までの戸籍、兄弟姉妹の戸籍が必要になります。戸籍の数も相当数になり、集める時間もかかります。

戸籍に漏れがあると、相続人を間違えます。間違った相続人で遺産分割を行っても効力がないため、戸籍集めは慎重を期します。

最近では法務局に集めた戸籍を持って行くと、法務局が戸籍を確認し、相続人が誰かを証明する書類である法定相続情報を発行してくれ、この書類で各種相続手続を行うことが出来ます。(以前は手続するため戸籍を各機関に提出していました)

なにより大きなことは、戸籍を法務局がチェックしてくれるので、戸籍を漏らす心配がなくなることです。

次に2の財産の確定です。

預貯金等金融資産は、亡くなった時点での預貯金等の残高証明を金融機関に発行してもらいます。積立型金融商品(火災保険等各種保険等)は亡くなった時点に解約した場合に得られる解約返戻金を出してもらいます。

被相続人が生前に引出した預貯金の行方は問題の種です。違う人の名義の口座に移っているが実質は被相続人の預金(名義預金)。相続人の預金へ移っている場合。等々預貯金は頭を悩ますことが結構あります。

株式等値動きがあるものも問題になります。価格を相続開始時とするか遺産分割時とするか。諸説ありますが、相続人間で合意して決めて、後日争うことが無いようにすることが肝要です。

不動産は被相続人が所有している一覧が記載されている役所が発行している名寄帳を取得します。私道の持分等、財産の漏れを無くすためです。

 上記のように二つの項目を明確にして、遺産分割に臨んでいきます。大切なのは、相続人間に疑義が生じないようにすることです。

節税対策に振り回されるな 野口レポートNo310

この時期になると御中元が届きます。「いい人に出会いました」「助かりました」「ありがとうございます」と、お客様に心から感謝され頂戴する。これが相続実務での中元歳暮です。

毎年Aさんから中元歳暮が届きます。都度礼状は出しますが、名前に覚えがありません、もう15年も続いています。念のため15年前の相談票をチェックしてみました。

Aさんの名前がありました。奥様が私のセミナーを聴いて相談に見えたとあります。銀行筋から相続税節税対策として賃貸マンションの建築を提案され、ご主人は乗り気になっているとのことです。

駅からバス便で15分のところです。手持ち資金はありません。35年返済の全額借入です。賃貸経営は、1に立地、2に立地、そして大家でなく経営者としての感覚を持つことです。

どう考えても立地が悪い、実行してしまったら多額の借金が残った「負動産」を子が相続することになります。

近隣の賃貸市場をわかりやすく説明し、冷静期間をおくことをアドバイスしました。当初から不安を抱いていた奥様ですが、私の話を聞いて断る決心をし、ご主人を説得し事なきを得ました。

このアドバイスのおかげで「家族が救われた」との思いと、日増しに募る「感謝の気持ち」が毎年届く中元歳暮だったのです。

ここで誤解をしないでほしいのは、「借金して賃貸建物を建てるな」と言っているのではありません。土地の有効活用は必要です。大事なことは身の丈にあった借金やプランのもと、確実なキャシュフロー(手取り)を見据えた土地活用です。

ある相談を受けました。某筋から節税対策になるからと、古アパートを取りこわし、賃貸マンションの建築を提案されています。

規模と建築費との効率や、資金があるとはいえ、借金の額に不安があります。また将来の相続で共有になる可能性があります。

次の提案をしました。 ①アパートの敷地を4宅地に分筆する(土地の相続税評価が下がる) ②戸建て賃貸住宅を4棟建てる(建築費が安くメンテナンスの負担も少ない) ③各棟が独立している(遺産分割がしやすい) ④身の丈に合った借金である(返済が早く終わる)

借金の抜けた物件は「カネのなる木」になります。手元には現金が残り、納税資金や遺産分割の原資になるでしょう。

土地の有効活用は必要です。しかし、安易な節税対策での借金や土地活用に、自分や子供達の大切な人生が振り回されてしまったら本末転倒です。一番大切なことは、その人の人生そのものです。その人生に役立つ対策であってこそはじめて意味があります。

相続にしてもしかりです。たとえ少なくとも頂いた財産に感謝し、自分の人生観や価値観にもとづき心にゆとりある人生を楽しみ、そのすがた(相)を次の世代に伝(続)えていく、こうした考え方こそが本来の相続の姿ではないでしょうか。

宗教

いかに苦痛な人生であろうとも、
「生」を与えられたということほど大なる恩恵はこの地上にはない。
そしてこの点をハッキリと知らすのが、
真の宗教というものであろう。
[ 森信三 一日一語 ] より

 

必然

この地上には、一さい偶然というべきものはない。
外側からみれば偶然と見えるものも、
ひと度その内面にたち入って見れば、
ことごとく絶対必然だということが分る。
[ 森信三 一日一語 ] より

偶然はないと思えば腹がくくれます。