比較

一切の悩みは比較より生じる。
人は比較を絶した世界へ躍入するとき、
始めて真に卓立し、
所謂「天上天下唯我独尊」の境に立つ。
[ 森信三 一日一語 ] より

比較をやめたいですね。

幸福

幸福とは求めるものではなくて、与えられるもの。
自己の為すべきことをした人に対し、
天からこの世において与えられるものである。
[ 森信三 一日一語 ] より

よく言われる言葉ですが、ついつい求めてしまいます。
森信三先生の言葉だと重みがあります。

立志の詩

「天地終始なく人生生死あり」・・・
これは頼山陽の十三歳元旦の「立志の詩」の一句ですが、
これをいかに実感をもってわが身に刻み込むかが
我われの問題です。
[ 森信三 一日一語 ] より

死は必ず訪れます。
一日を大切にしていきたいです。

不平等を持ち込む 中條レポートNo248

遺言とは
「相続人の間に不平等を持ち込む仕事」

遺言の作成のお手伝いをするとき、常にこのことを念頭にいれています。

平等に分けられる財産(例えば現金・預貯金)で、平等に分けるのでよければ遺言は必要ありません。
何故ならば法律(民法)は分け方を平等に定めているからです。(相続争いを行い、裁判所の判決で分け方が決まる場合は民法通りとなります)

不動産のように分割するのが難しい財産がある。
介護や家業の手伝を行った相続人とそうでない者がいる。
このような場合、遺言を使い相続人間に不平等を持ち込むことが必要になります。

けれども「不公平であってはならない」
「不平等」を持ち込むが、「不公平」であってはならないということです。

お年玉をあげる場合、小学生、高校生、大学生に同じ金額を渡すのが平等です。
年齢に応じて金額を変えて渡すのが公平です。

何が公平なのかは概念的なことになるので非常に難しいことではあります。
しかし、遺言書の作成する際、常に念頭にいれておくべきことだと思います。

森信三先生の一日一語(右記参照)によれば「職」は天から与えられたものです。「遺言書があれば争いを防げたのに」と思うことが多くあります。
私たちは生前に遺言作成のアドバイスが出来る立ち位置にいます。
「職」が天から与えられたものであるならば、天から与えられた役割を果たせるよう精進していきたいです。

2022年を迎えて 野口レポートNo304

新年明けましておめでとうございます。2021年はコロナに明けてコロナで暮れました。感染が下火になりホッとしたのもつかの間、新たなオミクロン株の脅威が迫ってきています。

飲食、旅行、集会、祭り、軒並みできなくなりました。仕事帰りの一杯など、ささやかな楽しみまで奪われ、ストレスも大いに溜まりました。ひたすら「耐え忍ぶ」そんな1年でもありました。

観光・旅館業や飲食業などコロナの影響は計り知れません。「酒を出してはならぬ」とのお達しは、飲食店や居酒屋には致命的でした。廃業に追い込まれたお店もあります。

8月には感染者数がピークに達し、入院できない人が続出し、自宅待機中に亡くなった人もいます。私達は「医療崩壊」の現実を初めて目の当たりにしました。精神的・肉体的に限界をこえ、泣きながら仕事をしている看護師の姿に衝撃をおぼえました。

いままで当たり前にできたことができない、当たり前と思っていたことが、実に有り難いことであるとコロナ禍が気付かせてくれました。このことはコロナが収束しても忘れてはなりません。

パズル(社会の仕組み)が、この超大型台風(コロナ)により、バラバラにされてしまいました。嵐が過ぎるのをじっと待っている人、すでに型を変え新な変化に備えている人など様々です。

コロナが収束しても以前と同じ世に戻るとは限りません。新たなパズルが組み上がったら、どんな絵が出てくるでしょうか、新しい仕組みや変化に対応できる心の準備が必要です。

毎月発行している「野口レポート」ですが、昨年は300号を発行することができました。25年間よく続けてこられたと思います。

相続は「法律、財産、人心」が、三つ巴に絡んでくる難しい分野です。物の本を見ても法律や税金ばかりで、相続で一番大切な「心の部分」を書いた本はありません。なら、自分が書いたらどうなるか、そんな発想からのスタートでした。

頑張って続けてきましたが、一度だけ挫折しそうになったことがあります。それは父親が急逝した時です。集中力が出てこないのです。気力を振り絞りやっとの思いで書きつなぎました。あそこでやめてしまったらこのレポートはなかったと思います。

感性の新鮮さを保つため、あえて書き溜めはしません、月1回の真剣勝負です。相続を生業とする人、目指す人、相続人となった人、生き方に悩んでいる人、レポートを読んで助けられたとのお手紙を頂戴することもあります。古いレポートを読み返し、新たな気付きがあったとお葉書もいただきます。レポートを通し知識以外に人として最も大切なものを感じとってくださればと思います。

「10年偉大なり、20年畏(おそ)るべし、30年歴史になる」継続は一歩一歩の積み重ねに他ありません。あと5年、歴史になるまでは書き続けたいと思っています。