2022年を迎えて 野口レポートNo304

新年明けましておめでとうございます。2021年はコロナに明けてコロナで暮れました。感染が下火になりホッとしたのもつかの間、新たなオミクロン株の脅威が迫ってきています。

飲食、旅行、集会、祭り、軒並みできなくなりました。仕事帰りの一杯など、ささやかな楽しみまで奪われ、ストレスも大いに溜まりました。ひたすら「耐え忍ぶ」そんな1年でもありました。

観光・旅館業や飲食業などコロナの影響は計り知れません。「酒を出してはならぬ」とのお達しは、飲食店や居酒屋には致命的でした。廃業に追い込まれたお店もあります。

8月には感染者数がピークに達し、入院できない人が続出し、自宅待機中に亡くなった人もいます。私達は「医療崩壊」の現実を初めて目の当たりにしました。精神的・肉体的に限界をこえ、泣きながら仕事をしている看護師の姿に衝撃をおぼえました。

いままで当たり前にできたことができない、当たり前と思っていたことが、実に有り難いことであるとコロナ禍が気付かせてくれました。このことはコロナが収束しても忘れてはなりません。

パズル(社会の仕組み)が、この超大型台風(コロナ)により、バラバラにされてしまいました。嵐が過ぎるのをじっと待っている人、すでに型を変え新な変化に備えている人など様々です。

コロナが収束しても以前と同じ世に戻るとは限りません。新たなパズルが組み上がったら、どんな絵が出てくるでしょうか、新しい仕組みや変化に対応できる心の準備が必要です。

毎月発行している「野口レポート」ですが、昨年は300号を発行することができました。25年間よく続けてこられたと思います。

相続は「法律、財産、人心」が、三つ巴に絡んでくる難しい分野です。物の本を見ても法律や税金ばかりで、相続で一番大切な「心の部分」を書いた本はありません。なら、自分が書いたらどうなるか、そんな発想からのスタートでした。

頑張って続けてきましたが、一度だけ挫折しそうになったことがあります。それは父親が急逝した時です。集中力が出てこないのです。気力を振り絞りやっとの思いで書きつなぎました。あそこでやめてしまったらこのレポートはなかったと思います。

感性の新鮮さを保つため、あえて書き溜めはしません、月1回の真剣勝負です。相続を生業とする人、目指す人、相続人となった人、生き方に悩んでいる人、レポートを読んで助けられたとのお手紙を頂戴することもあります。古いレポートを読み返し、新たな気付きがあったとお葉書もいただきます。レポートを通し知識以外に人として最も大切なものを感じとってくださればと思います。

「10年偉大なり、20年畏(おそ)るべし、30年歴史になる」継続は一歩一歩の積み重ねに他ありません。あと5年、歴史になるまでは書き続けたいと思っています。

不可称不可説

「生」の刻々の瞬間から「死」の一瞬にいたるまで、
われらの心臓と呼吸は瞬時といえども留まらない。
これは「ありがたい」という程度のコトバで尽くせることではない。
「もったいない」と言っても「辱ない」といってもまだ足りない。
文字通り「不可称不可説」である。
[ 森信三 一日一語 ] より

生き方

真に生き甲斐のある人生の生き方とは、
つねに自己に与えられているマイナス面を、
プラスに反転させて生きることである。
[ 森信三 一日一語 ] より

マイナス面を活かすことです。

天職

職業とは、人間各自がその「生」を支えると共に、
さらにこの地上に生を享けたことの意義を実現するために不可避の道である。
されば職業即天職観に、人々はもっと徹するべきであろう。
[ 森信三 一日一語 ] より

「職業は天から与えられたもの」
なんですね。

10年 中條レポートNo247

所有者不明土地の対策として今年4月に法改正、新法作成が行われました。これらの法の施行は成立後3年以内とされています。

この改正は相続に関する法律にも影響しました。

相続したとき不動産の名義を相続人に変えずほったらかしていることが、所有者不明土地を発生させる要因だと考えられたからです。

テレビ等で報道されている相続登記が義務になるというのもその一つです。
その他にも相続実務に影響する改正が行われています。

相続開始後「10年」を経過した場合は特別受益や寄与分が法律争いの場で主張出来なくなります。(特別受益;故人の生前に住宅資金等のお金を贈与してもらった。等々 寄与分:故人に対して生前に金銭に換算できる恩恵を与えた。相続の財産分けをするとき、亡くなった時点の財産だけでなく、特別受益や寄与分を考量出来る)

相続が起こってから年数が経過すると、これらを主張する証拠が揃えにくくなり、争いが長引く要因になるからです。このことが、所有者不明土地を創出する原因にもなると考えられたからです。

令和2年7月に施行された相続法改正にも「10年」というキーワードがあります。
遺留分に関するものです。
「死亡する10年以上前に故人が行った贈与(特別受益)は遺留分を計算するときの財産の価額から外す」

10年以上前の贈与は証拠もあいまいになり、無用に争いを長引かせるというのが理由です。これは遺留分を請求するものにしては不利な改正です。逆に贈与を受けた者にとっては有利となるため、今後は早めの贈与が推奨されるようになるでしょう。(但し、遺留分が発生ることを知って行った贈与はこれに該当しません)

「10年」ひと昔。
10年はあっという間ですが、一区切りでもあるのでしょう。法改正は、ここを区切りにして争いを簡素化し早期解決を図る主旨なのでしょう。

前段のお話は相続時点では未来の「10年」。後段のお話は過去の「10年」。
相続は長期的な視点で関わっていくことが大切だと感じます。

相続ワンストップサービス 野口レポートNo303

人が亡くなると相続が開始します。やらねばならぬことが山積します。ほとんどは相続など初めての経験です。どこに相談すればよいのか、何から手をつけてよいのか分かりません。

なかには自分でやろうとする人もいます。相続に興味があり、それなりの知識もあり、時間に余裕のある人なら可能かもしれません。

しかし、相続人の確定、遺産分割協議書の作成、土地の相続税評価、相続税の算出、不動産の相続登記、10ケ月以内に相続税の申告納付、どれをとっても難度の高い作業です。自分で手をつけてもほとんど途中で行き詰まり、疲れ果てた顔で相談に見えます。

「ワンストップ」で対応しますので、安心してお任せください。この言葉と笑顔に相談者は一様に安堵の表情になります。

相続の処理に必要な、戸籍、登記簿、残高証明、評価証明、遺言検索証明、他もろもろ、集めるだけでひと仕事です。

遺言があっても内容がそぐわなければ、遺言を使わないで(全員が合意すれば可)遺産分割協議での財産分けを提案します。

相続税の申告は税理士を、未登記建物や測量は土地家屋調査士を、成年後見は行政書士を、公平な評価には不動産鑑定士を、相続争いに発展しているなら弁護士を、状況に応じネットワークから適材適所の専門職を選びコーディネートしていきます。

15年位前の話だったと思います。独身の二女が亡くなりました。すでに父母は他界し、兄弟姉妹が相続人となります。相続を含め不動産売却など、全てを同じところでワンストップで対応してほしいとの希望です。まだ「相続は税理士へ」との風潮がありました。が、税理士は相続の専門家ではありません。相続税の専門家です。ここを間違えないことです。当時の士業は多くが縦割りで仕事をしており、相続のワンストップサービスなどありません。

先ずは長男と長女に立ち会っていただき、不要な書類と必要な書類の仕分けです。素人にはこの区別はつきません。書類と荷物の整理が終わったら、遺品整理業者(質と費用に差があるので注意)に依頼し遺品の処分です。

遺産分割協議は円満かつ円滑に終わり、司法書士に相続登記を依頼し、マンションの売却です。駅近だったので仲介しすぐ売れました。不動産屋なのでこんな時は便利です。

税理士に相続税の申告を依頼し、あとは長男と各銀行を回って預貯金の解約です。最後の仕事はペットの猫ちゃんをどうするか、幸い親戚が引き取ってくれ、全てワンストップで完了しました。

後日、請求より多い金額が振り込まれました。すぐに電話を入れました。返ってきた返事は「私達の気持ちです。」でした。報酬はもらうのではなく、払わねばと思ってもらえる仕事をすることです。

ただし、士業以外の者が相続の実務でお金を稼ぐのは甘くありません。仕事へのゆるがぬ信念と、人一倍の努力が必要です。

神ながら

日本民族の世界観は、一口にいえば「神ながら」である。
神ながらとは、民族生命の原始無限流動の展開をいう。
そしてこれが、明治維新まで儒仏の文化を摂取し溶融したが、
ついで維新以後は、西欧文化の摂取を容易ならしめてきた根源力である。
[ 森信三 一日一語 ] より