覚悟

人間は真に覚悟を決めたら、
そこから新しい智慧が湧いて、
八方塞りと思ったところから一道の血路が開けてくるものです。
[ 森信三 一日一語 ] より

覚悟を決められるかどうか。

盲目

どんな地位にある人でも、一旦盲目になったら、
その地位を失わざるをえない。
それ故一刻も早くそこまで身を落とさねばならぬ・・・
これが三十代半ばにおけるわたくしの自覚の一支柱でした。
[ 森信三 一日一語 ] より

仕事の効率 中條レポートNo246

コロナで世の中が大きく変わりました。

ネットで会議、面談をするようになり、遠方への出かけることはめっきりへりました。コロナが終息しても効率を考えると、ネットで出来ることはネットで行いコロナ前の状態には戻れないのでしょう。

しかし、面談することの重要性が再認識されたことも事実です。
ネット上ではわかりえない、人間の機微が面談では感じることが出来るからです。効率だけを優先することが良い結果になるとは限りません。

 日本の平均賃金が20年前と変わらない。先進国の中でも圧倒的に低い伸び率となっています。様々な原因が考えられ、対策が講じられようとしています。

でも日本人は不幸でしょうか。
安全な環境。四季がある、豊かな自然に恵まれた環境。規律正しい気風。

賃金だけでは計れないことがたくさんあると思います。
先述した効率だけでは計れないことと通ずるところがあると思います。

私は主に相続、成年後見の仕事をしております。
どちらも効率だけを求めても良い結果は出てきません。

正解がない場面も多くあり、日々迷い悩み仕事をしています。効率的に解決しようとすると間違うことも多々あります。

「こんなに〇〇〇してあげているのに」
対人関係で非効率的な事をしているときに出てくる感情です。このとき効率的にしようとしても良い結果になりません。

なぜなら自分中心の思いで行っていて、相手の想いとは違うことが多いからです。そしてこの感情は相手に伝わります。そのため心を開いてくれません。
効率ではなく「やってあげている」という気持ちの修正が必要です。

 もちろん効率を求めることは経済活動をしていくうえでは欠かせないことです。
お伝えしたかったのは、効率だけを重視して活動すると大切なものを見失う危険があることです。この危険に気が付けるよう日々精進していきたいと思います。

遺言必須 野口レポートNo302

子供がいないから、財産は全て配偶者にいくと思い込んでいる夫婦のなんと多いことか。とんでもない間違いで、夫(妻)が遺言を作ってなかったら妻(夫)は辛い思いをします。

夫が亡くなり、子供がなく父母等の直系尊属も他界していたら、妻と夫の兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹が亡くなっていたら、甥・姪が一代限りで代襲相続人となります。妻はこの義兄弟姉妹と夫の遺産分割の話し合いをしなければなりません。

Bさん夫婦がいます。子供がいません。Bさんは妻より10歳年上です。年上の自分が先に亡くなると思い、世話になってきた感謝の証として、自分の預貯金を全て妻の通帳に移しました。

生計一ですから、互いが自由に使え特に問題はありません。が、予期せぬことに妻が先に亡くなってしまいました。

預貯金は凍結され、生活費も下ろせません。相続人はBさんと妻の兄弟姉妹です。銀行に「これは自分のお金だ!」と言ってもそんな話は通用しません。Bさんは途方にくれています。

何代も続いてきた旧家があります。「栄枯盛衰」栄える時もありますが、衰えてしまう時もあります。道楽者が出たためにこの旧家もすっかり衰え昔の面影はありません。母親はすでに他界し父親が残った自宅で一人暮らしをしています。

高齢の父親は寝たきりとなり介護が必要となりました。隣に住んでいるAさん(長男)夫婦が在宅介護をすることになりました。

介護は、食事や下の世話など心身ともに大きな負担を強いられます。実際に経験した人でなければその苦労は分かりません。

そして3年後に父親は亡くなりました。Aさんの依頼でこの相続案件を引き受けました。相続人はAさんと5人の姉達です。

弟夫婦に介護を押しつけ、親の世話を一切しなかった姉達は全員が法定相続分を主張してきました。介護をしてくれた弟夫婦へ「ありがとう」の感謝の言葉もありません。

それどころか自宅を売却しお金に換えろと言ってきました。Aさんは旧家としての面子もあり、せめて3回忌が終わるまで売るのは待ってほしいと嘆願しました。が、姉達は聞く耳を持ちません。

Aさん夫婦には子供がいません。Aさんは自分が亡くなったら、全財産は妻へ行くと信じて疑っていませんでした。

今回の相続で姉達の正体は見えました。もしAさんが亡くなったら権利を主張してくるでしょう。5人のしたたかな義姉達に奥様はとても太刀打ちできません。遺産分割協議は理不尽な内容で合意させられてしまう可能性があります。

「絶対に遺言が必要だ!」とAさんを説得しました。すぐ資料を揃えAさんと公証役場に出向き、公正証書遺言を作成してもらいました。姉達に遺留分の権利はありません、これで奥様は安心です。遺言必須の典型的な事例でした。

肝をすえる

肚をすえるという事は、
裏返えせばすべて神まかせという事でもある。
だが単に神まかせというだけでは、まだ観念的であって、
よほどそれに徹しないとフラつきやすい。
[ 森信三 一日一語 ] より

森信三先生の言葉として発せられていることに重きがあります。

必ず何とかはなる

「世の中はなるようにしかならぬ、だが必ず何とかはなる・・・」
もしこの「何とか」というコトバの中に、
「死」というコトバも入れるとしたら、
これほど確かな真理はないであろう。
[ 森信三 一日一語 ] より

人は必ず「死」をむかえます。
これほど確かなことはありません・

借金の返済

この世の事はすべて借金の返済であって、つまる処天のバランスです。
すべてが「宇宙の大法」の現れだということが解ったら、
一切の悩みは消えるはずです。
[ 森信三 一日一語 ] より

そうですね。
人間に生まれてこれたことが、すごい恩恵をですから。

対人援助 中條レポートNo245

福祉の世界では対人援助が重要です。(以下援助される人を「本人」と言います)

援助で大切なのは、本人と援助者が対等関係になることです。〇〇してあげるというものではありません。援助者は本人と二人三脚で目標に向けて歩んでいきます。(目標は本人にとって「幸福」につながるものであることが必要です)

 そして本人が問題解決の主体者となります。
援助は目標を達成するため、本人が決めたプロセスに徹底的に付き合い共に歩んでいく事です。

本人に決めてもらうためには、気が付いてもらうことが重要となります。
そのため援助者は本人が自ら問題を解決していけるよう側面から働きかけます。援助者は主体でなく「本人のいるところ」から伴走車として出発します。

 伴走者になるためには、現在の本人の様子を理解するだけでなく、本人の育ってきた歴史を知ることも重要です。援助者から見た本人ではなく、本人から見える風景にどう接近していくかが大切となります。

問題解決者である前に本人のよき理解者となることです。「自分のことをわかってくれている」と思ってもらえることが大切です。

援助の現場では、目標と手段を混同しないことに注意が必要です。援助することが「目的」でなく、援助は目標を達成するための「手段」だからです。
例えば、
歩くことが困難になった人に、ただ歩くことのリハビリを強いるのが本人の幸福につながるでしょうか。
しかし、孫と散歩する楽しみを実現するためにリハビリをするということであれば、幸福を達成するための手段となります。
現場では援助することが目的になりがちです。注意しないとこの間違いに陥ってしまいます。

 どのような考えで本人に接するかで行動の一歩目から変わってきます。理念をしっかり持って取り組んでいく事が大切です。