眼を開かせてくれる人

精薄児や身障児をもつ親は、悲観の極、必ず一度はこの子と共に身を滅ぼしたいとの念いに駆られるらしいが、しかもその果てには必ず、この子のお陰で人間としての眼を開かせてもらえたという自覚に到るようである。
[ 森信三 一日一語 ] より

眼が開いたとき、神様が授けてくれたと感じるのでしょう。

リズム

すべての物事は、リズムを感得することが大切である。
リズムは、根本的には宇宙生命に根ざすものゆえ、
リズムが分かりかけてはじめて物事の真相も解り出すわけである。
中んずく書物のリズムの如きは、著者の生命の最端的といってよい。
[ 森信三 一日一語 ] より

同じように接しても、人によって結果が大きく違う要因なのでしょう。

 

言葉

言葉の響きは偉大である。
一語一音の差に天地を分かつほどの相違がある。
それゆえ真に言葉の味わいに徹するのは、
そのままいのちに徹するの言いといってよい。
[ 森信三 一日一語 ] より

言葉には力があります。

出し尽くす

人間の偉さは才能の多少よりも、
己に授かった天分を、
生涯かけて出し尽くすか否かにあるといってよい。
[ 森信三 一日一語 ] より

天から与えられた天分を出し尽くす。
皆それぞれ素晴らしいものを与えられているのですから。

弱さは悪

弱さと悪と愚かさとは、互いに関連している。
けだし弱さとは一種の悪であって、 弱き善人では駄目である。
また智慧の透徹していない人間は結局は弱い。
[ 森信三 一日一語 ] より

「弱さとは一種の悪である」
と言ってます。

決める

人はその一心だに決定すれば、
如何なる環境に置かれようとも、
何時かは必ず、道が開けてくるものである。
[ 森信三 一日一語 ] より

成就出来るか否かは
心が決めききれてるかどうかです。

絶対必然

この地上には、一さい偶然というべきものはない。
外側からみれば偶然と見えるものも、
ひと度その内面にたち入って見れば、
ことごとく絶対必然だということが分る。
[ 森信三 一日一語 ] より

絶対必然とし受け入れることです。

遺言の落とし穴 中條レポートNo218

「全ての金融資産を長男〇〇〇に相続させる」
という遺言がありました。この金融資産に現金が含まれるかどうか。これは諸説あります。

「全ての有価証券を遺贈する」
と書かれた遺言で、預金は有価証券に該当するのか否か。
「全ての株式を遺贈する」
と書かれた遺言で、投資信託が含まれるのか否か。

含まれるか否かの争いで裁判になることもあります。
争いを防ぐための遺言書が争いの元を作ってしまっては本末転倒です。

「全ての金融資産および現金を長男〇〇〇に相続させる」
というように遺言書に明記しておくだけで争いは防げます。

 遺言書に預貯金の残高が書いてありました。
死亡時、遺言時の残高より増えていた場合は、増えた分に関しては、遺言の対象外となってしまいます。その分は相続人全員で貰う人を決めなければなりません。
ですから通常は残高までは記載しません。

遺言書作成時点で貸金庫がなくても「貸金庫の開扉権限を与える」という遺言執行者(遺言の内容を実現する人)の権限が書かれていることがあります。将来貸金庫を設けることに備えて、念のためこの文言を入れるのです。
しかし不信感を持つ相続人から「貸金庫にあった財産はどこにある」とあらぬ疑いをかけられてしまうこともあります。
このようなことに備え「遺言時には貸金庫は存在しないが、将来貸金庫契約を締結したときには」と書いておくことも一考です。

 民法改正で自筆証書遺言が増えていくことが予想されます。ネット等で勉強し遺言書を作成するのでしょうが、落とし穴は潜んでいます。

上記のように、文言を修正するだけで、無用な争いを防げることが多くあります。専門家にチェックしてもらうことも検討してみてください。

遺留分侵害額請求権 野口レポートNo274

一定の相続人は、遺言によっても贈与によっても奪われることのない最低限の相続分を持っています。これを遺留分と言います。

◎平成30年の相続法改正で遺留分減殺請求権が遺留分侵害額請求権に変わり「金銭債権」となりました。
配偶者が相続人の場合⇒ 法定相続分の1/2が遺留分となります。
子が相続人の場合⇒ 法定相続分の1/2が遺留分となります。
◎直系尊属(父母等)のみが相続人の場合⇒ 1/3が遺留分となります。
◎ちなみに第3相続順位の相続では、相続人である兄弟姉妹に遺留分の権利はありません。遺言があったらその通りです。
遺留分を侵害している遺言も無効にならず有効です。
遺留分は遺留分侵害額請求をして初めて効力が生じます。侵害額請求されなかった遺産は遺言で財産を取得する受遺者に帰属します。
◎遺留分の権利は侵害されていることを知った時から1年、知らなくても相続開始10年が経過すれば時効により消滅します。
◎相続放棄は生前にはできませんが、遺留分放棄は家庭裁判所が認めてくれたなら生前放棄が可能です。

もし父親に愛人ができ、「全財産を遺贈する」こんな遺言を作られてしまったら、あとに残された家族は路頭に迷います。相続人全員が遺留分を主張すれば遺産の半分は取り戻せます。そんな時は「遺留分侵害額請求権」この法律が光り輝くことでしょう。

こんなアドバイスも時には必要です。

◎相手に減殺請求をさせないで兄弟姉妹の縁を切らせなかった話です。
相続人は、長女、長男、二男です。母親はすでに他界し、長男夫婦が寝たきりの父親を在宅介護していました。夜中でも不具合があると2階にいる夫婦のブザーが鳴り、1階に下りて父親の世話をしなければなりません。長男夫婦は肉体的に精神的に限界にきています。

父親は「全財産を長男に相続させる」との公正証書遺言を残して亡くなりました。主な遺産は自宅の土地建物です。

長男は相続手続きの準備に入りました。弟は、兄貴と義姉さんが親父の介護をし、看取ってくれたのだからと、遺言に理解を示してくれました。姉は、私にも権利があると遺留分を主張してきました。

遺言を執行したら遺留分減殺請求をしてくるでしょう。遺留分減殺請求は弁護士から内容証明できます。内容証明は宣戦布告のようなものです。長男に届いた瞬間に姉弟の縁は切れてしまいす。

相続で一度切れた縁は戻りません。相続実務で一番気に留めていることは兄弟姉妹の縁を切らせないことです。

長男には遺言を使わないで、遺産分割の話し合いで自宅を相続することをアドバイスしました。長男が譲ったので姉も一歩引いてくれました。

姉にハンコ代相当の代償金を払い、長男が自宅を相続することで遺産分割は成立し、姉弟の縁は切れずにすみました。

◎減殺請求権が侵害額請求権(金銭債権)に変わったことで、今後は遺留分を考慮した遺言の作成や、生命保険などを活用し金銭債権に対応できる資金の確保など一定の配慮が必要となります。

幸福

幸福とは、
縁ある人々との人間関係を噛みしめて、
それを深く味わうところに生ずる感謝の念に他なるまい。
[ 森信三 一日一語 ] より

「生ずる感謝の念」
感謝の念は、自然と生ずるものでなければなりません。