宙ぶらりん

すべて宙ぶらりではダメです。
多くの人が宙ぶらりんだからフラつくのです。
ストーンと底に落ちて、はじめて大地に立つことができて、
安泰この上なしです。
[ 森信三 一日一語 ] より

迷うのは宙ぶらりんだからですね。

準備

ものごとの処理は、まず手順を間違えぬことから・・・
しかしそれには、あらかじめ、準備しておく必要がある。
[ 森信三 一日一語 ] より

こつこつと丁寧に
ですね。

介護研修 中條レポートNo203

特別養護老人ホームでの22日間の研修を終えました。
研修内容は施設に入所している方(以下「利用者さん」という)と接することです。

指導員の方から最初に言われた言葉。
「こちらから投げたボールを、投げ返すか、他の人に投げ返すのか、投げずに自分で持っているか。この決断は全て相手が決めることになります」

22日間の研修中で学ぶことは、利用者さんに寄り添い、共感しラポール(信頼関係)を築いてくことです。

共感と同調の違いを学びます。
共感は利用者さんが感じることを同じように感じて接すること。
同調は利用者さんが抱いている感情に自分の言動を合わせること。

言語では理解できても、実際に接していると、共感なのか、同調なのか解らくなってきます。研修の最後まで解らずにすぎてしまいました。

研修で解ったのは共感の難しさ。
そして、あくまでも決めるのは利用者さんということ。私たちは、そのサポートをするのだということ。

確かに問題解決をしなければならないとき、利用者さんが望むことが、実行できるとは限りません。本当に利用者さんのためになるのか。予算的に無理がないのか。身体的に無理がないのか。家族の協力が得られるのか。等々。実行するためには専門家の視点から実行の可否を判断しなければなりません。

しかし、そうであっても根底に「決めるのは本人」という気持ちを常に持って接していかなければなりません。共感すること等のラポール形成が利用者さんを思うように操作するためのテクニックになってしまうからです。

どんな気持ちで接しているのか、自分の感情をしっかり自覚し、自身の言動が間違っていたら正していくことが大切だと感じました。

研修で学んだことを、相続・後見の現場でも活かしていきたいと思います。

「3ケ月」前と後では天国と地獄 野口レポートNo259

あるお母さんが債権者からの請求(督促状)を持って相談に見えました。離婚した夫が亡くなりました。母親は離婚により縁が切れ相続人とはなりません。だが子供は血がつながっているので相続人となります。債権者は子供達に父親の借金を請求してきました。

相続放棄は、死亡を知ってから3ケ月以内でなければ出来ません。亡くなってからではなく、亡くなったことを知った時から3ケ月です。このことは相続放棄の実務では大きな意味を持ちます。

離婚の原因はギャンブルです。別れた夫の生活を考えると他にも隠れた借金が出てくる可能性があります。すでに亡くなってから10ケ月が過ぎています。

子供達は債権者からの請求で父親の死亡を知りました。「死亡を知った時から3ケ月」つまり督促状の消印から3ケ月が勝負です。幸い子供達も成人しているので特別代理人の選任は不要です。

お母さんの相談が早かったので司法書士をコーディネートしセーフでした。もし督促状が届いてから3ケ月が過ぎてしまったら手遅れです。子供達は父親の全ての借金を背負わなければなりません。

隠れた借金や保証債務はいつ表に出てくるか分かりません。時限爆弾をかかえているようなものです。家庭裁判所から「相続放棄申述受理通知書」が届いた時のお母さんの安堵の表情が印象的でした。

 相続の専門家も負債相続には積極的に取り組みません。資産家の相続の相談に乗っているほうがよほど儲かる、といったところが本音です。

塾長を務めている野口塾の塾生に司法書士の椎葉基史さんがいます。日本では数少ない負債相続に特化した専門家です。これまでに2500件以上の負債相続を解決した「相続放棄」のエキスパートです。

弁護士や税理士もほとんどが手掛けたことのない、限定承認にも積極的に取り組み、一昨年に全国で初めて限定承認専門の相談窓口「限定承認相談センター」を開設しました。

最近は著書「相続放棄が分かる本」をポプラ社から出版しました。負債相続の実務書はなかなかありません。貴重な一冊です。

相続対策で大きな借金をしてしまった人、連帯保証人になっている人、自社の個人保証をしている人、弁護士や税理士なども必読です。

 負債相続で悩んでいる人は数多くいます。3ケ月を過ぎてしまったからと玄関払いされ、ワラをもつかむ思いで相談に見えます。

3ケ月が過ぎてもあきらめないこと!彼のような専門家につながれば、状況によっては数年後でも相続放棄が認められるケースがあります。

著書の一節です。「社会の陰に光をあてる。これは司法書士としての私のモットーです。多くの人が苦しんでいるのにもかかわらず、世の中から置き去りにされている問題に正面から立ち向かっていくこと、それが私なりの社会貢献だと思っています。」いい言葉ですね。

17年をむかえた野口塾は、あらゆる分野の専門家が集まった、他にはない相続の実務家集団です。全員が資格と人格に相談者の痛みが分かる心を持っています。34名の塾生は私の誇りでもあります。

人はすべからく、終生の師をもつべし。
真に卓越せる師をもつ人は、終生道を求めて歩きつづける。
その状あたかも、北斗星を望んで航行する船の如し。
[ 森信三 一日一語 ] より

私には「師」がいます。
こんなありがたいことはありません。