一小宇宙

人は自己に与えらた境遇の唯中に、
つねに一小宇宙を拓かねばならぬ。
されば夜店の片隅にいる一老爺でも、
その心がけ次第では、一小天地の中に生きているといえよう。
[ 森信三 一日一語 ] より

この心掛けが出来れば、不平不満はなくなります。

自己の縁なき著名人の書を読むより、
縁ある同志の手刷りのプリントを読む方が、
どれほど生きた勉強になるか分からぬ。
これ前者は円周上の無数の一点に過ぎないが、
後者は直接わが円心に近い人々だからである。
[ 森信三 一日一語 ] より

身近に本を書いている仲間がいることは幸せなことだと気が付きます。

歎異抄

親鸞は「歎異抄」の冒頭において、
「弥陀の誓願不思議に助けられまゐらせて」という。
その不思議さを、親鸞と共に驚きうる人が、
今日果して如何ほどあるといえるであろうか。
[ 森信三 一日一語 ] より

この不思議さ。
世に生を受けたことに感謝しなければなりません。

使命感

われわれ人間は、ただ一人の例外もなく、
すべて自分の意志ないし力によって、
この地上に生まれてきたのではない。
そしてこの点に対する意識こそ、
おそらくは最高最深の叡知といってよい。
されば我われ人間は、
それぞれ自分がこの世に派遣せられた使命を突き止めねばなるまい。
[ 森信三 一日一語 ] より

使命感を持たねばなりません。

何を為しているか

その人が何を言っているかより、
何を為ているかが問題。
そして両者の差がヒドければヒドイほど、
その人は問題の人といってよかろう。
もしその上に有名だったら、
一種の悪党性がつけ加わるとさえ言えよう。
[ 森信三 一日一語 ] より

そうですね。

信用

すべて物事には基礎蓄積が大切である。
そしてそれは、ひとり金銭上の事柄のみでなく、
信用に関しても同じことが言えます。
否、この方がはるかに重大です。
[ 森信三 一日一語 ] より

信用は蓄積です。
小さなことも、ひとつひとつ。
そのためには、ぶれいな信念が必要です。

アウトリーチ 中條レポートNo195

アウトリーチとは本来、手を伸ばす、手を差し伸べるといった意味である。福祉においては自発的に援助を求めてこない方々に対するアプローチの方法で、相談機関から地域に積極的に出て問題を抱えた人と対面し潜在的なニーズを表に出せるよう援助して行くことでアウトリーチが重要な理由は、いわゆる声をあげない方々(援助が受けられる制度を知らない。社会的に孤立している。ぎりぎりまで動こうとしない)を援助するためである。早期に援助することで改善が図られることがある。

例えば生活保護の場合を考える。資産が無くなるまで、何ら相談支援の手立てがなく、生活保護状態になるまで待つだけの人がいたとする。この人を早期に支援することで、資産を元手にし、社会参加や自立意欲を高め就労のきっかけを作ることも可能である。

病気と同様、早期に対応すると出来ることがたくさんあるが、問題が大きくなってからでは出来ることが限られる。但し困窮する前の方に手を差し伸べても拒絶される場合がある。本人の意思能力が確かであれば、本人の意思に反して介入することは出来ない。無理に介入すれば訴えられる可能性もある。しかし、このようなケースでも介入をあきらめるのではなく、挨拶出来る程度の関係を保ち、助けを求められる存在として認識してもらえるよう努力することが大切である。

アウトリーチを実施し機能させるためには、相談支援の対象エリア内の、声なき声(声を発しない人)など、地域で問題を抱えた方々の情報が支援機関につながる地域体制づくりを構築しなければならない。情報提供者は、専門職経験者、ヘルパー、民生委員等の専門知識・経験のある方だけではない。町内会、アパート管理人、新聞配達員、宅配業者、等も有力な援助者になりえる。これらの人々は情報を提供してくれるだけでなく、支援や見守りの担い手にもなってもらえる可能性がある。

超高齢化社会・孤立社会においてアウトリーチが必要な人が急増している。これらの方を援助していくための社会資源は地域社会に求める方法以外はないと思う。そのためには地域社会の人々に活動する意義・必要性を認識してもらう活動が欠かせない。

認知症と成年後見制度 野口レポートNo251

ある息子さんから電話を頂きました。母親は認知症で施設に入所し判断能力がありません。息子さんが銀行の融資を受け、母親の土地を使用貸借(無償)し、その上に家を建てています。母親の土地には銀行の抵当権(物上保証)が設定されています。

息子さんはローンを完済し、この土地に設定されている抵当権を外したいと銀行に相談しました。ここまでは普通の話です。

腹が立つのはこの相談を受けた銀行員の対応です。「分かりました。お母さんは認知症なので抵当権を外すには、成年後見人(以下後見人)をつける必要があります。明日、当行の系列の弁護士を向けるから、後見人になってもらって下さい。」この行員は後見人がつくとどうなるか、お客様にリスクを全く説明していません。

電話を受けて「チョッと待った!」とストップをかけました。すぐに銀行に断ってくださいと言いました。土地売買などの事情があるならば抵当権を外さなければなりません。だが目的はその土地の使用貸借です。抵当権など何の問題もありません。急いで外す必要はなく、母親が亡くなってから外せば足りることです。

 もし、電話をくれなかったら、息子さんは行員の言うことを真に受け、母親に後見人をつけてしまったことでしょう。

一度後見人をつけてしまったら、生涯外すことができません。母親の一切の財産は後見人が管理し、今まで息子さんが容易にできたことが何もできなくなります。

後見に対し正しい知識を欠き、安易に後見人をつけてしまい、失敗したと後悔している人もいます。よほどの事情が無い限り、つけなくて済むならば、後見人はつけないほうが良いと思います。

最近は相続で多くぶつかるのが認知症の問題です。被相続人が高齢なら配偶者も高齢です。認知症を発症している可能性があります。

認知症の発症や、重度の精神上の障害など、相続人に判断能力に欠ける人いる場合は、後見人をつけなければ遺産分割がでません。

後見人は原則として遺産分割で、被後見人の法定相続分を確保しなければなりません。また、相続手続きが終わったからといって、後見人を外すことができません。認知症の母親に渡った財産は生涯にわたり、後見人が管理することになります。

あちらでも信託、こちらでも信託、巷では民事信託が流行っています。認知症対策にも使われています。だが、民法で可能なことはできる限り民法で対応したいものです。手短に確実にできる方法として遺言による認知症対策があります。

全財産を遺言で相続人に指定しておけば、遺産分割協議は必要なく後見人も不要です。ただし、信託も遺言も被相続人になる人が認知症になってしまってからではできません。認知症対策は手遅れにならぬよう早めの対応が必要です。

バランス

人間の智慧とは、
(一)先の見通しがどれほど利くか
(二)又どれほど他人の気持ちの察しがつくか
(三)その上何事についても、どれほどバランスを心得ているか
ということでしょう。
[ 森信三 一日一語 ] より

バランス感覚。
これって大切です。

 

比較

善悪・優劣・美醜などは、すべて相対的で、
何ら絶対的なものではない。
何となれば、いずれも「比較」によって生まれるのであり、
随って尺度のいかんによっては、逆にもなりかねないからである。
[ 森信三 一日一語 ] より

比較により社会が成り立っています。
絶対的な基準で物事を判断出来る人は限られています。