正直という徳

正直という徳は、
われわれ人間が、世の中で生きていく上では、一ばん大切な徳目です。
それ故「正直の徳」を身につけるためには、
ひじょうな勇気がいるわけですが、
同時に他の一面からは、相手の気持ちを察して、
それを傷つけないような深い心づかいがいるわけです。

口外

相手と場所の如何に拘わらず、
言うべからざることは絶対に口外せぬ。
この一事だけでも、真に守り得れば、
まずは一かどの人間というを得む。
[ 森信三 一日一語 ] より

十年

人間何事もまず十年の辛抱が肝要。
そしてその間抜くべからず、奪うべからざるは基礎工事なり。
されば黙々十年の努力によりて、
一おう事は成るというべし。
[ 森信三 一日一語 ] より

自己の道

自己の道は自己にとっては唯一にして絶対必至の一道なれど、
他から見ればワン・オブ・ゼムたるに過ぎない・・・
との自覚こそ大事なれ。
そしてこの理を知ることを真の「自覚」とはいうなり。
[ 森信三 一日一語 ] より

覚悟

九十九人が、川の向う岸で騒いでいようとも、
自分一人はスタスタとわが志したこちら側の川岸を、
わき眼もふらず川上に向かって歩き通す底の覚悟がなくてはなるまい。
[ 森信三 一日一語 ] より

生きた勉強

自己の縁なき著名人の書を読むより、
縁ある同志の手刷りのプリントを読む方が、
どれほど生きた勉強になるか分からぬ。
これ前者は円周上の無数の一点に過ぎないが、
後者は直接わが円心に近い人々だからである。
[ 森信三 一日一語 ] より

 

真の救い

人間はこの肉体をもっている限り、
煩悩の徹底的な根切りは不可能である。
そしてこの一事が身根に徹して分かることこそ、
真の救いといってよかろう。
[ 森信三 一日一語 ] より

歎異抄

親鸞は「歎異抄」の冒頭において、
「弥陀の誓願不思議に助けられまゐらせて」という。
その不思議さを、親鸞と共に驚きうる人が、
今日果して如何ほどあるといえるであろうか。
[ 森信三 一日一語 ] より