歎異抄

親鸞は「歎異抄」の冒頭において、
「弥陀の誓願不思議に助けられまゐらせて」という。
その不思議さを、親鸞と共に驚きうる人が、
今日果して如何ほどあるといえるであろうか。
[ 森信三 一日一語 ] より

宗教

宗教は人間が立派に生きるためのもの。
随って人間は神には仕えるべきであるが、
宗教に仕えるべきではあるまい。
ひとつの宗教にゴリゴリになるより、
人間としてまっとうに生きる事の方が、
はるかに貴いことを知らねばなるまい。
[ 森信三 一日一語 ] より

最高最深の叡知

われわれ人間は、ただ一人の例外もなく、
すべて自分の意志ないし力によって、
この地上に生まれてきたのではない。
そしてこの点に対する意識こそ、
おそらくは最高最深の叡知といってよい。
されば我われ人間は、
それぞれ自分がこの世に派遣せられた使命を突き止めねばなるまい。
[ 森信三 一日一語 ] より

至幸

人間の生命が、たがいに相呼応し共感し得るということは、
何たる至幸というべきであろうか。
世にこれに勝るいかなる物があるであろうか。
[ 森信三 一日一語 ] より

天理

男の子は素質的には母親似が多く、娘は父親似が多い。
そして後天的には、息子は父親に、そして娘は母親に学ぶ。
ここに生命における「性」の相互交錯と相互滲透、
ならびに先天と後天の絶妙なる天理が伺える。
[ 森信三 一日一語 ] より

夫婦

夫婦の仲というものは、
良きにつけ悪しきにつけ、
お互いに「業」を果たすために結ばれたといえよう。
そして、この点に心の腰がすわるまでは、
夫婦間の動揺は止まぬと見てよい。
[ 森信三 一日一語 ] より