預貯金の遺言書 中條レポートNo157

遺言書の書き方は大きくわけて二通り。

一番目は銀行毎・支店毎・銀行口座毎に相続する人を指定する方法です。
文例
遺言者は死亡時に有する下記口座の預金を長男 山田太郎に相続させる。
○○銀行××支店 普通預金 口座番号 123456
遺言者は死亡時に有する下記口座預金を長女 山田花子に相続させる。
○○銀行××支店 普通預金 口座番号 789012

 この方法の利点は遺言を書いた後も、銀行口座の残高を調整し、長男と長女に相続させる金額を変更出来ることです。遺言を書き変える必要がありません。
問題点は遺言者の意思能力が衰えた場合、老後費用(介護費用、老人ホーム入所費用等)をどの銀行口座から引出すか自分で決められず(法定後見の場合、後見人が決めます)、遺言者の意図に反した口座残高になる可能性があることです。「被相続人の意図したことではない」と争いの元にもなりかねません。

二番目は預貯金全部を合計した金額を割合で相続する人を決める方法です。
文例
遺言者が死亡時に有する全ての預貯金の合計額の○分の△を長男山田太郎に○分の×を長女鈴木花子に相続させる。

この方法だと、死亡時までにどうように預貯金を使っても相続させる割合は変わりません。しかし文例○○のように預金残高を調整して残す金額を変える事は出来ません。残額が減っても長男に最低相続させる金額を確保したいときは次のようになります。

文例
遺言者が死亡時に有する全ての預貯金の合計額の○分の△を長男山田太郎に○分の×を長女鈴木花子に相続させる。
但し、上記計算により長男が相続する預貯金が○○万円以下の場合は、△△万円を長男に相続させ、残額を長女に相続させる。死亡時に有する全ての預貯金が△△万円以下の場合は、全ての預貯金を長男に相続させる。

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