不動産を相続せずに、不動産を売却したお金を相続人間で分配する遺産分割が増えています。
理由は不動産が面倒くさい財産になっているからです。面倒くさくなった理由は
1価値判断か人によって異なる。(3人いれば3通りの価格が出てくる)
2様々な要因で価格が変動する。(マイナス要因に敏感に反応し価格が下がる)
3保有コストがかかる。(他人に損害を与えると所有者責任を問われるリスクもある)
4将来値上がりの可能性が低い。(不動産が余っている)
それでは、売却するにはどんな方法があるでしょう。相続人が子供2人だとします。①2人の名義にして、2人で共同して売却して売却代金を分ける。
②1人の名義にして売却し、売却代金の一部を他の相続人に渡す。
①の方法だと、2人が売買に携わります。何をするときも2人の合意がなければ出来ません。②の方法だと売買手続にかかわるのは1人だけです。
仲が良ければお互いに一番良い方法を選択出来ます。(同じ金額で売却しても手取額が売却方法で異なることもあります)しかし仲が悪いケースでは…….。
「あいつに任せたらいいようにされてしまう」と➀を選択するケース。(仲が悪い2人が合意しながら売却を進めていくのは大変なことですが)
「あんなやつと共同で売るなんていやだ」と➁を選択するケース。
売却の相手をどうするかも問題です。不動産業者(以下業者という)か一般人かです。
分譲出来るような広い土地の購入者は業者に限られます。(業者への売却は手続が確実で早い)しかし戸建住宅、マンション等一般人が買えるものは一般人に売却する方が、高く売れます。高く売りたいなら一般人がよいでしょう。
しかし、売りに出し、買手が現れないと価格を下げなければなりません。立場が違う二人の意見が対立することもあります。仲が良かった2人が険悪になることもあります。
兄弟姉妹のフランクな関係に、財産の分配を決めるという特異な状況がやってくるのが遺産分割です。速やかに手続が完了する業者への売却も選択肢の一つです。
どの選択肢が適切かを、総合的視野から見て判断する目を持つことが大切です。