法律問題にしてはならない 中條レポートNo187

相続でやってはいけないこと。
それは法律を前提に判断することです。

「法律は正しい」。 〇でしょうか、×でしょうか?
判断する問題の性質によります。

法は全ての国民に適用されるものです。
一人ひとりの事情によって判断を変えていたら法ではなくなります。

だから事情に応じて判断を変えた方がよい問題は、法よりも当事者間での決め事が優先する仕組みになっています。当事者間で決められない場合に、法を適用して決める手段を用意しているのです。(家庭裁判証における審判。等々)
ですから「法律が△△△だから、□□□だ」は〇でも×でもないのです。

相続で典型的なのは
「法律で定められているから、法定相続分で遺産分割をする」
相続人全員の合意で、遺産の分け方は自由に決められます。

一方、法が絶対的な判断力を持たなければ社会秩序が保てないものは、当時者間で定めても効力を認めません。
例 人を殺してはいけない。赤信号で渡ってはいけない。等々。

相続で言えば、
「生前に親族間で取り決めた遺産分割は効力がない」
たとえ当事者間で「有効にする」と取り決めても効力はありません。
これは、親に物言えぬ相続人が、否応なしに財産がもらえなくなるのを防ぐためだと言われています。

このように、法は当事者間で決めたことを優先するものと、当事者間で決めても無効とするものがあります。

「何故そのような仕組みになっているのか」ということを考える必要があります。
法は社会秩序を守るためのものでありますが、必ずしも、当時者間を幸せにするものではないということです。

相続は家族間の問題であり様々です。
法律問題にしてはならないと言われる所以です。

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