1992年、農家の方々の申請で、一定の要件のもと市街化区域内農地に生産緑地が指定されました。生産緑地は2016年時点で小田原市には約20万坪、2013年時点で南足柄市に約7万坪あります。
生産緑地に指定されると30年間(2022年まで)、固定資産税が大幅に安くなります。農地を続けたいという方が生産緑地を選択した理由です。
しかし選択したら、30年は宅地化できません。売却も出来ないということです。
年月がたつにつれ時代も変わります。
賃貸経営をしている方は建物も老朽化し、家賃も下落します。土地を売却し借入金返済やリノベーション資金に使いたい人が増えてきています。
このような人たちは生産緑地が解除できる2022年を手ぐすね引いて待っています。大量の宅地供給者となるのでしょう。地価下落の大きな要因になると言われています。(但し、相続時に生産緑地に対する相続税を猶予してもらう制度を受けた方は、亡くなるまで営農しないと猶予された税金が免除されません。生産緑地を解除し宅地化すると、猶予されている相続税と利子税を支払わなければなりません)
首都圏では地価が上昇を続けています。しかし、そろそろ天井ではないかと言われ始めています。東京オリンピックまでは上がり続けるという声も怪しくなっています。
それでは小田原地区の二市八町はどうでしょう。
かつては、都心があがれば、つられて、それなりに小田原地区も上昇しましたが、ここ数年は都心の地価上昇に関係なく下落し続けています。
そのうえで、2022年を迎えます。どのくらいの生産緑地が解除され宅地化し売却されるかわかりませんが、影響は大きいことは間違いありません。(注 生産緑地の指定を続けることも可能です。相当数の方が生産緑地を継続されるでしょう)
このことから不動産売却も資産対策、相続対策の重要な選択肢の一つとなってきます。不動産に偏りがちな資産構成組み替えるということです。
もちろん、経済的合理性だけで判断は出来ません。しかし2022年の生産緑地問題がどのような影響を及ぼすかは知っておく必要が有ると思います。
参考にして頂けたら幸いです。