釈迦は、この世の悩み苦しみの根元は、「思いどおりにならないこと」と見抜いた。だから「思いどおりにしようとしないで、受け容れよ」と言った。その最高の形は「ありがとう」と感謝することだったのです。
~釈迦の教えは「感謝」だった~ 著者小林正観より抜粋。
斎藤一人さんがCDで次のような話をしています。
お釈迦様は悩みをなくそうと思い修行をしました。滝に打たれ、 断食もし、極限まで自分を追い詰めました。難行苦行のあとに言った言葉は「無駄である」でした。
この二つの話は苦悩の根元を見抜いたお釈迦様の話です。
生きることは、思い通りにならないこということです。生きている人はここに気付くことです。「思い通りにしたいのに、それが叶わない」、だから人は悩み苦しみます。「思いどおりにしようとしないで、受け容れよ。」これができれば悩み苦しみは消滅します。
我の強い姑さんがいました。お嫁さんは大変だなと思いました。だが常に明るく振る舞っています。ここへ嫁いだから成長できたと感謝さえしています。思いどおりにしようとしないで、受け容れてしまったのです。家には波風も立たず、姑さんは寿命を全うし旅立っていきました。幸せなおばあさんでした。
弁護士以外が遺産分割にかかわる場合は注意が必要です。司会進行役に徹し、交渉、説得、誘導をしない、報酬をもらわない、ここさえ気をつければ非弁行為にはならないと思います。
知人からの紹介で、ある相続のコーディネートを引き受けました。
問題点をまとめ、案件に見合った、税理士、土地家屋調査士、司法書士をセッティングし、コーディネートしていきます。
不動産の価値をいかに遺産分割に反映させるか難しいところです。相続人は2人です。不動産をめぐり遺産分割はもめにもめました。ようやくまとまり、いよいよ明日は遺産分割協議書の調印です。
夕方、相続人の一人から突然電話が入りました。取引先の銀行員に「それでいいのですか」と言われたそうです。この行員に、不動産の価値や、これまでの経緯など分かるはずがありません。
ここで話が壊れたら今までの苦労が水の泡となります。想定外の出来事でした。だが、もう少し苦労をしろとの「天の声」と言い聞かせ、この事実を受け容れました。
本人を説得するには時間がありません。翌朝一番で他の相続人に連絡し、事情を説明し半歩譲っていただき、代償金の調整で何とか収まり、無事調印することができました。
なぜ余計なことを言ったんだ、どうしてくれるんだ、そんな気持ちになっていたらハンコは揃わなかったと思います。
ピンチに追い込まれても、冷静な判断と行動ができたのは、文句や愚痴を一切言わず、この事実を受け容れたからです。