遺言の必要性 中條レポートNo219

「何故遺言を書くのか」
遺言が無い場合のことを考えると答えがでます。

遺言がない場合は、相続人全員が話し合い、相続人全員の合意で遺産分割をします。全員の合意がなければ出来ません。一人でも反対者がいたら出来ないのです。

話合いがまとまらなければどうなるでしょうか。
最後は裁判所が民法に書かれている相続分に従って決めます。

民法は平等です。でも公平ではありません。

親の面倒をみて家の事を一生懸命やった子と、家に一切近寄らない子と、民法では相続分がイコール(平等)です。この民法を基準に裁判官が判断します。

おかしいと思うかもしれませんが、裁判官の想いで法を変えていたら、法が法でなくなります。ですから、どんなに理不尽であっても法律通りとなります。

これが遺言を書く理由です。
遺言があれば、遺言者の意思で公平(≠平等)に財産を分けられます。

しかし、遺言を書いてから亡くなるまで年月が経過すると状況がかわることがあります。遺言を書き変えることが出来ればよいのですが、書き変えず亡くなってしまうこともあります。遺言どおりに分けると不都合が生じてしまいます。

その場合、相続人全員の合意があれば、遺言と違う財産の分け方をすることが出来ます。遺言は使いませんが、遺言者の遺志が遺産分けの重要な指標になります。

全員の合意をとるための重要なことは、遺言で多く財産を貰う人が、自身の相続分を他の相続人に譲りながらまとめていくことです。どうしてもまとまらなければ、遺言を執行することになります。

日本人は話し合いが苦手です。まして財産の分けかたを、財産を貰う人同士で決めるのは大変なことです。ぼたんの掛け違い、感情のもつれから、争う必要がない場合でも、争族になってしまうことがあります。

この大変さ、不合理さを無くせるのは、財産を遺す人だけです。
民法で定められた相続分で分けると不公平だと思う方、遺言を考えてみてください。

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