遺産分割(納税)スケジュール 中條レポートNo243

遺産分割協議書を作成して行う(遺言書が無い)場合の相続手続のスケジュールです。まずは相続税がかかるかどうか。
3,000万円+600万円×法定相続人の数の金額以上財産があるか否か。

相続人が奥様と子供二人の場合は4,800万円以上あれば相続税が課税されます。(各種特例を適用し相続税が課税されない場合もありますが、申告は必要になります)

相続税が課税されれば、10カ月以内に相続税の申告、納税が必要になります。
手続に期限が出来るということです。
期限を超え納税すると、利子税、延滞税が課せられます。

相続で得る財産で納税する場合は、相続人全員で遺産分割を成立させることが必要になります。(遺産分割がまとまらない場合は、法定相続分で相続したと仮定し、各相続人が相続税を支払います。この場合、各種特例が使えない、手持ちの財産で相続税を支払う、等々のデメリットが生じます)

次に相続税を、相続した預貯金や手持ちの資金で支払えるかが重要になります。
支払えない場合は、相続した財産(不動産や株式(手持ちを含む)等)を売却して納税しなければなりません。

売却するための時間を考量しなければなりません。特に不動産は時間を要します。
期限内にやることが増えることは、スケジュールがタイトになるということです。

また、相続税の支払いは相続人間の連帯納付義務がありあすので、個別に考えるのではなく、相続人全員で支払う計画をたてることが大切です。全員が納税するための必要資金を確保することが重要になります。

ですから相続手続を行うコンサルタントには「いつまでに何をするか」、相続手続の全体像を把握しスケジュールをしっかり立てることが求められます。

スケジュールを立てるうえで一番の気がかりは相続が争族になってしまい、話合いがまとまらず期限切れになってしまうことです。
ですから、手続の最初に相続人全員に遺産分割協議がまとまらない場合の不利益の危機意識を共有してもらうことが大切になります。

ここを認識してもらい、相続手続のゴール(納税)に向けて手続を開始していきます。

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