日本の相続税の計算方法はちょっと変わっています。
変わっているのは、誰がどれだけ財産を取得したかにかかわらず、相続税の総額を計算するところです。
総額が計算出来ると、その税額を各相続人が取得した財産の割合で按分します。
具体的に計算してみましょう。
ご主人が亡くなり、相続人が妻と子供長男、長女の二人。相続課税価格1億円。
妻が6,000万円(6/10)、長男が3,000万円(3/10)、長女が1,000万円(1/10)取得したとします。
まず、1億円を誰がどれだけ取得したかに関係なく、法定相続分で取得したとして相続税を計算します。
法定相続分は 妻1/2 長男1/4 長女1/4
相続税は1億円-基礎控除4800万円(3000万円+600万円×3)=5200万円
に対して課税されます。
この5200万円を妻が1/2の2,600万円 長男長女が1/4の1,300万円取得したと仮定し各々の相続税を計算します。(ここが変わっているポイントです)
それぞれの税額は妻が340万円 長男長女は各々145万円。(計算省略)
上記の合計額630万円の相続税を各々が相続した割合で按分します・
妻 630万円×6/10=378万円
(妻には税額の特例がありますので相続税は0円となります。(計算省略))長男 630万円×3/10=189万円
長女 630万円×1/10=63万円
ドイツやフランスのように相続人がどれだけ財産を取得したかで、それぞれの相続人に課税する国と、アメリカやイギリスのように亡くなった方の遺産の総額で相続税を課税する国があります。
日本は二つの方法の折衷ともいえる、仮に法定相続分で分けたと仮定して相続税を計算しています。
それぞれ一長一短です。大切なのは特徴を正確に把握し遺産分割をすることです。