相続財産の中で財産評価額が不透明な代表的な財産が不動産です。
土地の価格には主に4通りあります。
・固定資産税評価額
固定資産税を算出するための基礎となる価格。
・路線価
相続税評価額を算出するための基礎となる価格。
・公示地価(基準地価)
国(都道府県)が定める土地の適正価格。
・時価
実際に売買される価格。
上記4つの中で不動産の真の価値をあらわすのは時価です。
しかし時価には問題点がいくつかあります。
一番の問題点は、実際に売却しないと時価算出が難しいことです。
時価は三者三様だからです。不動産価格を算出する専門家と言われる不動産鑑定士に依頼しても同様です。
また不動産は個性的な財産ですので、ちょっとしたことが価格に大きな影響を与えることがあります。
それ故、遺産分割で揉める場合、この時価を決めるのが一苦労となります。不動産を取得しないものは高い方有利になり(他の財産を多くもらえるため)、取得するものは低い方が有利になるからです。
他の3つの価格の関係は
公示地価×0.7 ≒ 固定資産税評価額
公示地価×0.8 ≒ 路線価
公示価格 ≒ 時価より若干低めに設定
これらの価格は公表されているため、財産評価額を算出するのは容易です。
ポイントは、相続人がそれぞれの価格の意味を理解し、どの数字を元に算定するのかを全員で合意することです。
そして、争いが激化して、裁判所にお世話になる場合は、算出が困難な「時価」となることを心得ておくことです。