お一人様対策 中條レポートNo273

「誰にも迷惑をかけずに死んでいきたい」というのは、お一人様からよく聞く言葉です。ここでいう「お一人様」とは、配偶者や子供がおらず、または疎遠になっている状態で、兄弟姉妹や甥姪などの親族とも疎遠になっている人々のことを指します。

しかし、何も準備をしなければ、実際には迷惑がかかることになります。

例えば、お一人様が倒れた場合、関係者は親族を探します。また、意思能力の衰えにより成年後見制度が必要になった際には、親族を探し協力を求めます。亡くなる前の延命治療の可否、相続手続も同様です。ですから、何も準備しないと迷惑がかかるのです。

しかし、迷惑をかけずに済む方法があります。

それは、成年後見制度の任意後見契約を締結し、意思能力が衰えた後のことを信頼できる人に託すことです。意思能力が衰える前も、様々な事務を依頼するために事務委任契約を結びます。亡くなった後の面倒な事務処理も、あらかじめ委託しておくことが大切です。財産の配分については、死後事務では行えないため、遺言書を作成する必要があります。また、延命治療の可否については、自分で意思表示ができなくなることに備え、尊厳死宣言を行うことが重要です。

事務委任契約、任意後見契約、死後事務委任契約、遺言、尊厳死宣言。これらを適切に行うことで、「誰にも迷惑をかけずに死んでいく」という目標をほぼ達成することができます。

最近では、お一人様対策に特化した様々なコンサルタントが現れています。上記の例は、任意後見を中心としたコンサルタントの提案です。その他にも、身元保証を中心とした契約組み合わせのコンサルタントや、信託を中心としたコンサルタントなど、多様な選択肢が存在します。

少し前までは、このような分野はあまり存在しませんでした。しかし、長寿化と少子化の社会においては、このようなサービスが必然的に必要とされるようになったのでしょう。

大切なのはそれぞれのお一人様に合ったコンサルティングを提案することです。そして、その人らしく、安心して生活できる環境を整えることです。

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立志の詩

「天地終始なく人生生死あり」
・・これは頼山陽の十三歳元旦の「立志の詩」の一句ですが、
これをいかに実感をもってわが身に刻み込むかが
我われの問題です。
[ 森信三 一日一語 ] より

“わが身に刻み込めるか”です。

迷い・悟り

悟ったと思う瞬間、即迷いに堕す。
自分はつねに迷い通しの身と知る時、
そのまま悟りに与かるなり。
[ 森信三 一日一語 ] より

信とは、人生のいかなる逆境も、
わが為に神仏から与えられたものとして
回避しない生のの根本態度をいうのである。
[ 森信三 一日一語 ] より

五分

五分の時間を生かせぬ程度の人間に、
大したことは出来ぬと考えてよい。[ 森信三 一日一語 ] より

人より先に

「朝のアイサツは人より先に!!」・・・
これを一生つづけることは、人として最低の義務というべし。
[ 森信三 一日一語 ] より

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