小規模宅地 中條レポートN0153

相続税の大バーゲン「小規模宅地の評価減特例」の内、居住用の特例に関する要件が1月から緩和されました。

居住用の小規模宅地の評価減特例とは、亡くなった人が住んでいた自宅の敷地を「配偶者」や「同居の子」等が相続する場合、240㎡までの部分について相続税評価を80%評価減するという制度です。(27年1月から330㎡に拡大)

240㎡で5,000万円の土地評価額が1,000万円になるというお話です。27年1月からの基礎控除減額分より節税効果が高いケースもあるでしょう。

緩和されるのは2世帯住宅の適用要件と老人ホームへの移転後の自宅の取扱いです。

○2世帯住宅の緩和。
「同居の子」の要件が、近年ニーズの多い二世帯住宅に対応していませんでした。昨年までは、内階段や内廊下でつながっていて二世帯を自由に行き来できないと「同居」とはみなされませんでした。しかし、2世帯住宅といえども(だから余計に)プライバシー確保が求められます。2世帯で暮らす大変さを理解していなかったのです。

そこで平成25年度税制改正で今年1月から、内部で行き来できなくても二世帯住宅であれば「同居」とみなされることになりました。これにより、外階段タイプの完全分離型の二世帯住宅でも敷地全体が小規模宅地の評価減特例の対象になります。

○老人ホーム移転後の自宅。
被相続人が老人ホームの入居中だった場合の取扱いも拡大されました。

昨年までは、終身利用権付きの (亡くなるまで居られる) 老人ホームに入居した場合、居住地が老人ホームに移ったものとみなされ、自宅は特例が受けられませんでした。

今年1月から、入居後も自宅への適用が認められることになりました。いつかは自宅へ帰りたい。だから売るのはしのびないという感情を理解してくれたのでしょう。

但し自宅を他人に貸すと適用が受けられませんので注意が必要です。

二世帯住宅の同居要件と老人ホーム入居中の取扱いは実務で障壁となっていました。今回の改正は実態に即したヒット改正です。このような見直しが今後も求められます。

※他にも適用要件があります。適用の可否で税額が大きく変わりますので、実行する場合は税理士さんに相談してから行ってください。

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